まだ降り止まない雨音が部屋の中に木霊する。
緩やかな雨音に掻き消されそうな嬌声が、
先刻から幾度となく部屋の中に燻り、
湿気の高い室内が、その汗でより一層湿度を増していた。



「……随分出たな……だが、まだ辛そうだ……」



一度果て、汗で額に貼り付いた髪を、神田が優しくかき上げる。
肩で荒く息をするアレンの唇に軽いキスを落とすと、
今度はその手をアレンの大腿部へと移動させた。


白く柔らかい双弓の丘は、ただ触れているだけでも心地よく
汗ばんで掌にしっとりと馴染む感触は、到底同性のものとは思えない。
だが今は、のんびりとその感触を味わっている場合ではなかった。


アレンの中で燻る媚薬の効果を早く取り除いてやりたいというのもあったが、
そんなものはもはや言い訳にしか過ぎず、
神田の方が徐々に余裕を無くしつつあったからだ。


ゆっくりと手を下へと滑らせ、可愛らしい双弓の隙間へと忍び込む。
先ほど出した液体で濡れた指先を、アレンの蕾の中へと侵入させた。
初めは僅かな抵抗を示したものの、その蕾は容易に神田の指を受け入れ、
アレンは果てたばかりの身体をまた仰け反らせた。


仰け反る瞬間に見せた咽喉元が、喰らい付きたいほどに艶かしく、
神田は思わず生唾を飲み込んでしまう。



「やっ……ああっ……」
「ここは……まだきついみたいだな……
 ゆっくり慣らすから……心配しなくていい……」



くちゅりという卑猥な音を立て、神田の指がアレンの後吼を弄ぶ。
中は酷く熱くて、狭い。
ゆっくりと指を侵入させ、奥深いところを刺激すると、
アレンは身体を捩らせ、いやいやと小刻みにに首を振って見せた。
瞳には大粒の涙を湛え、目蓋を閉じる瞬間に流れ落ちる様が
何とも言えず可愛く、またなまめかしい。



「やっ……あぁっ……」



言いようのない感覚に誘われ、
アレンの昂ぶりが再び大きく頭をもたげだす。
その反応を見逃すことなく、神田は感じる場所を幾度となく攻め立てた。



「……ここが……いいのか……?」
「……ぁ……ん……っ……」



その艶っぽい声に絆される様に、神田の息も微かに弾む。
首筋にかかる甘い吐息が、一層アレンの鼓動を早くした。


ゆっくりと時間をかけ、解きほぐすように弄られた蕾は、
すでに神田の指を二本……三本と音を立てて咥え込んでいる。
淫らな水音が羞恥心を煽るのか、アレンは片手で顔を隠すようにしながら
艶やかな喘ぎ声を室内に響かせていた。


アレンは必死で神田の存在を確認する。
布越しに感じる神田の中心も、はっきりとわかるほど大きく脈打っていた。
息つく間もない愛撫に喘ぎながら、
アレンは神田の身体が自分に反応してくれている事を喜んでいた。


まるでこのまま心臓が止まってしまうのではないかと思えるほど、
鼓動が速まりドキドキが止まらない。


触れたくても触れられない人だと思っていた。
望んでも望まれない人だと思っていた。
そんな彼が、今自分の身体に触れ、慈しんでくれている。
おそらく今こうして神田の愛撫に感じているのは薬のせいなどではない。
自らの身体が神田に反応し、感じているのだと思えた。


もとより他人の性器を受け入れるために出来ていないはずのそこが、
指をくわえて熱くなるなど、相手が好きな人でなければ考えられないことだった。
だからこそ、心が神田を求めて止まない。
一つになりたいと願って止まないのだ。



「……もう、大丈夫そうだな……」
「……はぁっ……っっ……か……んだっ……」



アレンの腕が神田の身体に伸びる。
瞳は明らかに憂いを帯び、まるで神田を誘っているようだ。



「……ねぇ……もぅ…き…てっ……」
「……ああ……」



白いアレンの膝を割り中央に移動すると、
神田は薄く色付いて愛液を零す蕾に己の猛りをあてがった。
少しずつ力を込めると、つぷりという音を立て奥へと貫いていく。



「……っっ……あぁっ……!」



アレンは身体に感じる圧迫感に、小さく唸る。
今まで知らなかった痛みに顔を歪め、それに抗おうと必死で神田にしがみついた。
だがそれと同じぐらい、満たされた何かが身体の中に広がっていく。


はぁはぁと宥められるままに息を整え、挿入の痛みをやり過ごしたところで
今度は神田が少しずつ動き出した。
粘膜が擦れる感覚に、内臓ごと引きずり出されそうな気がして
軽い眩暈がする。


神田の固くなった肉棒で、奥のほうの僅かに盛り上がった場所を刺激されると、
今度は言いようのない快感がアレンを襲った。
背中から頭へ突き抜けるように快楽の波が走る。



「……うっ……あぁぁっ……」
「……つっ……くぅっ……」



未知の快感に襲われ、身体を反らせて嬌声を上げる。
きつい締め上げに、神田もまた辛そうな呻きを洩らした。


愛しいと思う相手と身体ごと一つになれた嬉しさは、
言葉で表そうにも当てはまる言葉が見つからない。
知れば知るほどその魅力に飲み込まれ、
己の全てが相手に侵食されていく……


他人のことなどどうでもいいと思っていた。
死ぬまで一人で戦い抜くだけだと思っていた。
そんな神田の前にアレンが現れ、今は彼のことが誰よりも愛しい。
昂ぶる想いのままに、神田は何度もアレンを突き上げ、律動を繰り返した。


軽く己を引き抜いて、再度深く進める度に
アレンは甘い痺れに身悶えする。
その感じる場所を何度も擦っては、腕の中の恋人が啼く程に
神田もまた締め付けられる快感に眉を潜めた。



「……うっ……あっ……は…ぁ…んっ……!」
「……くぅっ……」



乱れた熱気と生々しい吐息が部屋の中に充満する中、
神田は激しく突き上げると、ついにはアレンの中に飛沫を解き放った。
その熱い突き上げと脈打つ感覚に、アレンも大きく仰け反りながら
生温い欲望を吐き出したのだった。















二人はまるで眠っていた欲望を呼び起こされたかのように、
それからも飽くことなく互いを求め合っていた。


神田までが甘い媚薬に体を侵されたかのようだった。
何度アレンを抱いても、その欲求が止まる事を知らない。
あれから幾度となくアレンの中に解き放ったせいで、
大きく腰を揺り上げる度に、接合部から淫らな水温が響きわたる。


アレンの方も、今宵何度目か知れない射精を繰り返し、
痛々しいほどに真っ赤に充血した性器が、
律動と共にその先端をヒクつかせていた。


おそらくもうアレンの中の媚薬も抜けているだろう。
そう思いながらも歯止めが利かない己の欲求に
神田自信も感情を持て余していた。



「……すまない……これ以上したら……
 ……お前が壊れちまうな……」



神田の一言に、アレンが力なく微笑む。



「……カンダに壊されるなら……本望……って…もん…です……
 いっそ、このまま……壊してください……」
「……モヤシ……」



あどけない顔で呟く殺し文句に、神田は心から白旗を揚げた。



「……ああ……いつでも壊してやる……これからいつでもな……
 そのかわり、お前を壊していいのは、この俺だけだ。
 他の誰でも、AKUMAでもねぇ……
 だから…覚悟しておけ……」



神田からもらった思わぬ言葉に、アレンは心から嬉しそうにする。
そして、コクリと頷くと、神田の背中にその手を回し、
思い切り抱きついた。



「……はい……覚悟しときます……」



その顔は神田からは見て取れなかったが、
初めて愛した人をその手にした至福の笑みが、
アレンの口元から溢れんばかりに零れていたのだった……











 


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≪あとがき≫

いよいよ結ばた二人〜♪
甘々です…萌えです…(≧∇≦)~~*
もう、二人にはいつまでもイチャイチャしていて欲しい!!
神田大好き!アレンも大好きですっっ(@>。<@)

星野先生、いつまでも復帰をお待ちしてますから、
早くこの二人を再会させてやってくださいねv
もう、今からハラハラドキドキしながら待ってます〜〜(o≧∀≦)ノ

さて、次回はいよいよ最終回です★
お楽しみにしていてくださいねvv















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Spiritual whereabouts    12
           
――魂の在り処――